障害別カテゴリーのご紹介

 障害を持ったサイクリストの、障害別カテゴリーについて、その概略を以下のようにご紹介します。
(参考:IPC自転車競技規則)

最終更新日:2005年12月31日

盲人および視覚障害者のカテゴリー (BVI;タンデム)

 視覚障害を持った選手は、2人乗りタンデム自転車の後部座席に乗り、晴眼のパイロット選手(前部座席に乗ります)と一緒に次の3つのうち1つのクラスで競技を行います    男子;女子;混合(混合とは男子と女子のペアでそのどちらかが視覚障害者) 
 混合クラスで競技することになるかどうかは視覚障害選手によって決まります。 あらゆるIPC競技大会期間内において、視覚障害選手は1つのクラスにのみ出場が認められ、その大会期間内はクラスの変更は認められません。

      クラスの基準 - 片眼において光覚無しからから視力6/60(0.1)までか、視野角20度未満の者、あるいはその両方。 これはIBSAのクラスB3に等しい。 全てのクラス分けは矯正後の良い方の目を基準に行う。 (すなわち、コンタクト・矯正レンズを使用し装着した状態でクラス分け認定を受けること。競技でレンズを使用する・しないに関わらずである。)

   なお、視覚障害はその障害の程度によりB1・B2・B3に区分されるが自転車の場合、このB1からB3までを統一して(つまり分けずに)1つのカテゴリーとしてレースを行います。つまり、男子・女子・混合のカテゴリー分けとなります

運動機能障害のカテゴリー(LCクラス)

 LCクラスは、切断など運動機能障害を持つ選手のクラスです選手は2輪車を使用し次の4つのクラスに分かれて競技を行います: LC1; LC2; LC3; LC4, そしてそれぞれ男子・女子に分かれます

   LC1クラス-このクラスは主に下肢障害が軽度あるいは無い選手を対象とします。 もっとわかり易く言うと、片方の上肢のみに障害のある選手がその主な代表です。それだけではありませんが、片方の上肢に切断などの障害を持った選手が一番多く見られるようです。 

  LC1クラスの基準: 次のうちの一つがあてはまること
:

a) 足(foot)の半分(前足部)以上を切断したもの。
b) 片下肢の筋力低下又は関節拘縮(関節固定)が10から14ポイント、大腿四頭筋、大腿筋または下腿三頭筋の単独麻痺。
c) 左右の脚長差7cmから12cmの者。
d) 義肢の有無に関わらず、片上肢の切断・麻痺がある者、片上肢の筋力低下が20ポイントを超える者。
e) 切断あるいは肢異常の場合、最低限の障害条件は次の通り: 片方の手の親指を含む全ての指を失った者、あるいは機能的握力の無い者。選手はハンドルバーに装着したギヤ・ブレーキレバーを障害のある上肢で操作できなければ、機能的握力が無いことが証明されたとする。
f) 通常のエアロダイナミックな着座姿勢がとれない脊椎変形。

   LC2クラス-このクラスは主に片方の下肢に障害があるが、義足を使用してあるいは使用しないで両足で正常にべダルを踏める競技者を対象とします。 一番多いのが片足の膝下切断で義足を使用する選手ですが、それ以外にも例えば両上肢に障害があるが下肢には障害の無い選手などもあてはまります。 

  LC2クラスの基準: 次のうちの一つがあてはまるものとする
:

a) 片方の大腿又は下腿切断で義足をつける者。
b) 片下肢の筋力低下が15から24ポイントの者。
c) 左右の脚長差が12cm以上の者。
d) 膝の屈曲が最高51から80度以上の者。
e) 片方または両方に補装具(義肢、装具、クルッケンベルグなど)をつけた、両上肢の切断又は麻痺の者。
f) 上記a)からd)に規定した障害で上肢の障害の有無は問わない。

   LC3クラス-このクラスは主に片方の下肢に障害があり、上肢に障害を持つあるいは持たない競技者を対象としており、ほとんどの競技者は片脚でペダルを踏みますあるいは両下肢に義足を使用してペダルを踏む選手もいます。 

      LC3クラスの基準: 次のうちの一つがあてはまるものとする:

a) 義足をつけない片方の膝上または膝下切断。義足を使用する場合には、切断した側のペダル回転半径がゼロあるいは6センチ以下であること。
b) 片方の下肢が機能しないために正常にペダルを踏めない者。 例として: 
 ● 
膝の屈曲が50度未満の者  ● ペダルの回転半径が6センチ以下の者
 
c) 両下肢の筋力低下が合計で25から39ポイントの者。
d) 両下肢切断で義足使用。
e) 股関節が硬く、固定屈曲値又は最大屈曲が最高30度で、硬い側のペダル回転半径がゼロあるいは6センチ以下の者。

   LC4クラス-このクラスは主に両下肢におよぶさらに重い障害を持ち、上肢に障害を持つあるいは持たない競技者を対象とします。 国際大会で見られた一例としては、片手でハンドルを握り片足でペダルを踏む選手です。

      LC4 クラスの基準:次のうちの一つがあてはまるものとする:

a) 両大腿(膝上)切断で1つまたは2つの装具を使用するもの。
b) 片大腿切断と上肢に障害がある者で、下肢に装具をつけず、片手でハンドルを握るもの。
c) 片下腿と片大腿に切断があり、1つまたは2つの装具をつけている者
d) 両下腿切断があり、片方だけに装具をつけている者。
e) 両下肢の筋力低下の合計が少なくとも40ポイントある者。

脳性麻痺のカテゴリー(CPクラス)

 CPクラスは脳性麻痺を持った選手のカテゴリーです。交通事故などで麻痺が残った選手もCPクラスに認定されることがあります。(LCのクラスに認定されることも有る。程度・状態による。) CPクラスも男子・女子に分かれて次の4つの機能区分で競技を行います。

              CP4区分(CP4) - クラスCP8&7-自転車の種類: バイシクル(2輪)
              CP3区分(CP3) - クラスCP6&5-自転車の種類: バイシクル(2輪)
              CP2区分(CP2) - クラスCP6&5-自転車の種類: トライシクル(3)
              CP1区分(CP1) - クラスCP4から1-自転車の種類:トライシクル(3)

   CPクラスに関しては多くのご質問を頂きましたがその中で「2輪になるのか3輪になるのか?」というものがいくつかありましたし、誤解されている方も多く見られました。トライシクルとバイシクルのどちらを使うか、第2区分あるいは第3区分のどちらで競技するかの決定は競技者(CP6&5に該当する選手)が下すものです。選手が判断することなのです。あらゆるIPC競技大会期間中において脳性麻痺選手は1つの区分にのみ出場が認められ、区分の変更は認められません。

    CP4(ディビジョン4)  障害程度の最も軽い選手の区分で、バイシクル(2輪車)で競争をします。 

  CP4の基準: 次のクラス8とクラス7がCP4に該当します
:

クラス8:
a) 対麻痺の影響は最小であり痙攣等級1
b) 歩行障害のある片側麻痺で痙攣等級1
c) 部分麻痺、最軽度のアテトーゼ
d) 両手あるいは片足の連携障害による機能失調が起こりうる
クラス7:
a) 歩行障害を伴う片麻痺で、半身の痙攣等級3から2。 歩行の際足を引きずったりもたつくことがある。
b) 手と腕の制御に影響が出るのは麻痺のある側だけである。

 CP3(ディビジョン3)及びCP2(ディビジョン2  この2つの区分では2輪のカテゴリーであるCP3に出場するのか、3輪のカテゴリーであるCP2に出場するのかの決定を選手に委ねています。 以下の基準にあてはまる選手は、2輪に乗りたい・2輪でなんら問題ないと思えばCP3に出場すればいいですし、2輪では安定性に欠けるので3輪に乗るというのであればCP2に出場すればよいのです。

  CP3およびCP2の基準: 次のクラス6とクラス5がCP3及びCP2に該当します
:

クラス6:
a) 四肢に歩行障害を伴う麻痺痙攣が見られるが(歩行時の両麻痺だけでなく腕への影響が多く見られる)、最も一般的な要因はアテトーゼである。
b) 歩行に関して中度のアテトーゼあるいは運動失調。 通常上肢を制御するのに問題が伴う。
c) バランスに障害のある選手、着座時にバランスを保ったり制御するのは可能で、トライシクルを選択することになるかもしれない。
d) アテトーゼのある選手で歩行速度に乱れ(連携障害)があるものや、全肢にアテトーゼの動作がある者。
e) 手を握ったり開いたりすることに関して、また、手の連携に関して中度から重度の影響がある者。
クラス5:
a) 対称・非対称に関わらず中度の両麻痺。
b) 歩行に際して補助具を必要とすることもある者。動的機能バランスに影響が見られるもの。
c) 片脚または両脚に痙攣等級3から2
d) 脚に中程度から軽度の制限が見られるが機能的強さは正常の範囲内。

 CP1(ディビジョン1  さらに障害の重い競技者の区分で、トライシクル(3)でレースを行います。 

  CP1の基準: 次のクラス4から1が該当します
:

クラス4から1:
a)

少なくとも三肢に重度から中度の運動機能障害がある。

b) 胴体及び全肢において機能的強さが弱い。
c) 痙攣等級4から3
d) 動的機能制御や連携同調性が弱い。
e) 胴体の動きは正常あるいは劣る範囲にある。
f) 乗車中のバランスは劣るか正常の範囲にある。
g) 乗車時及びスタート時に補助を必要とする選手。

ハンドサイクルのカテゴリー(HCクラス)

 ハンドサイクルのカテゴリーは、通常の移動手段として車いすを必要とする選手あるいは下肢の障害が重いために通常の2輪ないしは3輪自転車に乗れない選手のためのものです。 ハンドサイクルは脚の代わりに腕でペダルをこぐもので、ギアも付いており、車いすとは全く異なります。IPC公認自転車競技大会において、ハンドサイクル競技者は3つの障害別区分(ディビィジョン)で男女別に以下の区分に分かれて競技を行います。

              HC  A区分 クラスHC 1及び2
              HC  B区分 クラスHC 3, 4及び5
              HC  C区分 クラスHC 6, 7及び8

 そのクラス分けですが、機能クラス分けシステムを使用し,脊髄損傷の程度あるいは関連する障害の程度を基にハンドサイクルに対する競技者の機能的能力を測ります。そして競技用装備を用い競技服を着用して次のチェック項目に基づき選手のクラス分けを行います;

 ●競技者の障害に関する医学的認証書類  ●機能検査  ●トレーニングと競技の観察

 完全なる脊髄障害ではない場合、競技者の機能上の能力が最終的にクラス分けを決めることになるようです。 そしてIPC自転車競技のクラシファイアーの決定が最終的なものになります。

    HC A区分  HC A区分は、胴体と下肢の機能を完全に失い、その他にも重く複合的な障害を併せ持つ重度の障害を持った競技者の区分です。 

  HC A区分クラスの基準 - 次のHC1とHC2があてはまります:

クラスHC 1
a) 四肢麻痺で、C7/8あるいはその上部における完全なる頚部損傷に伴う障害
b) 手の握りに制限がある
c) 体温調整機能に制限がある
d) 正常に機能しない交感神経系
クラスHC 2
a)

脊髄の損傷はないが、機能的能力水準がクラスHC1に等しい

    HC B区分  HC B区分は、下肢の機能を完全に失い、かつ、胴体の安定性が限られている競技者の区分です。 

  HC B区分クラスの基準 - 次のHC3,HC4,HC5があてはまります:

クラスHC 3
a) 対麻痺で、Th1からTh3における完全なる損傷に伴う障害
b) 胴部の安定は非常に限定されている
c) 正常に機能しない交感神経系
クラスHC 4
a) 対麻痺で、Th4からTh9/Th10における完全なる損傷に伴う障害
b) 胴部の安定は限定されている
クラスHC 5
a) 脊髄の損傷はないが、機能的能力水準がクラスHC 3あるいはHC 4に等しい

  HC C区分  HC C区分は、下肢の機能を完全に失っているがその他の機能については最少程度の障害の競技者、あるいは部分的な下肢機能の喪失と他の障害のために通常の自転車に乗ることの出来ない競技者の区分です。 

  HC C区分クラスの基準 ‐ 次のHC6,HC7,HC8があてはまります
:

クラスHC 6
a) 対麻痺で、Th11からL4における完全なる損傷に伴う障害
b) 下肢の機能は全くないか限定されている
c) 胴部の安定は正常あるいはほぼ正常
クラスHC 7
a) 脊髄の損傷はないが、機能的能力水準がクラスHC6に等しい
クラスHC 8
a) 両膝上切断
b) 片足切断で他の障害を伴い、そのため通常の2輪車・3輪車を安全に使用できない
c) 完全ではない下肢機能の喪失で他の障害を伴い、そのため通常の2輪車・3輪車を安全に使用できない

 クラスHC 8においては、ハンドサイクル競技を行う資格は競技者の障害と従来の自転車の妥当なクラスの機能概要とを比較することによって確立される。 ハンドサイクル使用にあてはまることを示す医学上の書類は必要であり、IPC自転車競技クラシファイアーの決定が最終的なものになる。(IPC自転車競技規則より)

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