2010UCIパラサイクリングロード世界選手権はデンマークのロスキレで9月8日から11日まで開催された。
ロンドンパラリンピック参加枠獲得に向けてのポイント争いは今シーズンがピーク。 日本もナショナルチームを編成して3月のトラック世界選手権、5月のロードワールドカップ第1戦(シドニー大会)さらには7月の第3戦(カナダ、ベ・コモ大会)と1カ月おきに遠征を繰り返し、ポイントの積み上げを進めた。 迎えたロード世界選手権。今年4度目の海外遠征はこれまでで初めてのこと。(これまでは2回が最高だった。) 今大会には ポイント獲得・増大を目指して、藤田征樹(C3,チームチェブロ/日立建機) 石井雅史(C4、チームスキップ/藤沢みらい創造) 奥村直彦(H3,風輪道)の3名の選手が派遣された。

出発チェックイン前 たくさんの機材の積込には時間がかかる |
9月5日、選手・スタッフは、成田空港からデンマーク・コペンハーゲン空港へ向け出発。長いフライトではあるが直行便で乗り換えもなく、選手にとっては負担が軽減できた。
現地到着、北欧らしい冷たい雨、天気予報では、レース当日も雨の予報で寒さ対策が必要とされる。選手は、空港から主催者の用意したバスでホテルへと移動。スタッフはレンタカーで移動した。
9月6日天候は曇り時々雨。ホテルより30km離れたコースへレンタカーにて移動。レース会場で自転車を組みコースを試走。1周15,37kmのコースをコーナーやロータリーなどを確認しながら、ゆっくりと2周回試走した。コースは、風が大変強く、また、細い下りコーナー等があり、障害の重いクラスにとっては大変危険なコースである。我々の目の前でもトライシクルの選手が練習中に落車し、ケガを負っていた。
今回のコースのポイントは、コースの位置取りが大切であると感じた。
9月7日、大会開幕前日のこの日は曇り。午前中、コースを石井と藤田は3周回、奥村は2周回試走、明日のロードタイムトライアルへ備える。
スタッフは、ライセンスチェック、マネージャーミーティング、さらに鬼原メカニックは、自転車を整備・洗車。
いよいよロード世界選の開幕だ。

権丈チームリーダー(後列左端)と選手 |
9月8日(木)1日目 ロードタイムトライアル(藤田、奥村)
力出し切るも入賞に届かず
この日も曇り空。午前10時からスタートのC3クラスに藤田が出走。今回義足のプレートの位置を変更するなど試行錯誤中ではあるが、体調、精神的にはよい状態である。
スタート直後より強い風の中順調に走る。途中1分後にスタートしたニュージーランドの選手に抜かれたが課題であった登りでのダンシングはスムーズに行えた。結果は13位
男子C3ロードタイムトライアル15.2km:
1位 NICHOLAS, David AUSTRALIA 21:28.996
2位 UTIERREZ BERENGUEL, Juan Emilio SPAIN 21:38.214
3
位 MC KEOWN, Shaun GREAT BRITAIN 21:43.41
13位 藤田征樹(チームチェブロ・日立建機) 23:32:175
続いて13時30分からスタートのH3クラスに奥村が出走。
同じくスタート直後より強い風の中を走行。細い下りコーナーも難なくクリアしながら順調にコースを進む。途中、小さな登りで新しく変えた変速機がトラブルを起こしたがすぐに直り、若干のロスで済んだ。今ある力をすべて出し切り走りきることができた。結果は15位。
男子H3ロードタイムトライアル15.2km:
1位 JEANNOT,
Joel FRANCE 23:14.51
2
位 MERKLEIN, Vico GERMANY 23:29.24
3
位 CRATASSA, Mauro ITALY 23:41.73
15位 奥村直彦(風輪道) 27:59.71

藤田 TTのスタート 後輪に日の丸ステッカーが見える |

粗い路面で力を出し切った奥村 |
9月9日(金)2日目 ロードタイムトライアル(石井)
2年ぶりのロード世界選 石井のTTは14位
この日も曇り空。午前10時からスタートのC4クラスに石井が出走。イタリアの事故から2年。少しずつ調子を上げてきているが、まだまだ2年前には遠い感じがする。現在のC4クラスはトップ選手のほとんどが各国のエリートクラスで走っており、なかなか入賞することが難しくなってきている。その強豪の中、石井がスタート。昨日よりは弱いが風はある。
スタート直後、石井の走る後ろについた別のクラスの選手を、1分後にスタートした同じクラスの選手と勘違いし、少し慌ててしまう。その後順調に走ってはいるが、トップスピードに乗らないままゴール。落車前の走りを知っているだけに早い復活を期待したい。結果は14位。
男子C4ロードタイムトライアル(30.6キロ)
1位 NOVAK,
Carol-Eduard ROMANIA 40:29.17
2位 JEZEK,
Jiri CZECH 41:40.42
3位 BOUSKA, Jiri CZECH 42:08.78
14位 石井雅史(チームスキップ・藤沢みらい創造) 45:32.59

大怪我から復活に向けて 石井 |
9月10日(土)3日目 ロードレース
集団キープ!藤田が見事6位入賞!
この日は晴れ。午前10時からスタートのH3クラスに奥村が出走。スタート直後、中央分離帯の段差に乗り上げ、チェーンが外れるアクシデントで集団より遅れ、追いつくだけで体力を消耗してしまう。そのため、1周目より集団から遅れた。同じ順位を維持し、18位でゴール。やはり、コースの位置取りがうまくいかず、残念な結果になった。
男子H3ロードレース(61.5km)
1位 JEANNOT,
Joel (FRA)1時間41分09秒
2位
SKRZYPINSKI, Arkadiusz (POL) 1時間41分09秒
3位 LEDO, Mark
(CAN) 1時間41分09秒
18位 奥村 直彦(風輪道)
2時間1分07秒
続いて、16時からスタートのC3クラスロードレースに藤田が出走。
1周目の途中で大きな落車があったが、藤田は大丈夫であった。その後も何度か落車があったが、うまく切り抜けた。原因は、クラス統合により脳性まひのクラスの選手がふらついて、大変危険な走りになっていたためだという。集団の中では落ち着いて走っていたが、自分から動くことはできず、他国の選手の動きに併せるしかなかった。ゴール前のロータリー(ゴール前350m)にて、インコースを抜けた選手たちが先行し、順位を上げた。藤田は外側からゴールを目指したが、トップには届かず6位となった。しかし、近年スピード化が進むこのクラスにおいて、6位は大変すばらしい成績だと思う。
男子C3ロードレース(61.5km)
1位 BOSMANS, Kris (BEL) 1時間36分03秒
2位 NICHOLAS,
David (AUS) 1時間36分03秒
3位 BARGNA,
Roberto (ITA) 1時間36分03秒
6位 藤田 征樹(チームチェブロ・日立建機) 1時間36分04秒

奥村は残念ながら18位だったが、フレームに日の丸を貼り、必死に追走 |

落ち着いた様子の藤田のスタート前 |

トップ集団真ん中に位置した藤田 ゴールスプリントで6位に |
総評
藤田の6位が最高ではあるが、今の日本チームの状況がそのまま反映された結果であった。各国の選手は、ほとんどがプロのような生活を送っているが、日本チームは皆働きながらトレーニングをしているという理由は確かにある。しかし、これは何の言い訳にもならない。少しの時間でより効率の良いトレーニングができる環境を作り、今後につなげないといけない。この大きな溝を日本チーム全員で埋めていきたい。
今後日本パラサイクリングチームをよろしくお願いします!
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